人工透析ひ尿器科じんけいクリニック透析室では、39床の透析ベッドで90数名(石井病院10床と合わせて120数名)の外来患者さんにウルトラピュアな水を使用した血液透析治療やオンライン血液透析濾過治療を施行しています。
月水金は夜間透析含め変則2クール、火木土は1クールのみの施行です。入院治療が必要な場合はすぐ近く(徒歩2分)の関連の石井病院で、各専門の先生方と連携・協力しながら治療いたします。
また、ご自分で通院困難な方へは送迎車両もご用意いたしております。
末期腎不全の患者様は、脳血管障害、急性~慢性心機能不全、虚血性心疾患、不整脈、消化管出血、易感染症(急性肺炎、急性胆管炎、急性腸炎、バスキュラーアクセス感染症)、悪性腫瘍、全身アミロイドーシス(破壊性脊椎関節症、手根管症候群、肘管症候群)、骨ミネラル代謝異常、重症下肢虚血症、バスキュラーアクセス不全症など、多岐にわたる合併症が生じえます。
ひとりひとりの患者様が感じられる問題を把握した上で、石井病院・近隣の病院・診療所とも連携しながら、患者様の気持ちに寄り添いながら治療を行います。常に透析患者様の状況を把握する為に、透析システムを活用し常に患者様を見守り対応いたします。
これからも、私たち人工透析ひ尿器科じんけいクリニックは、「仁=思いやり」をモットーに安全・安心、信頼される医療を提供し地域に貢献してまいります。
透析スケジュール | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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8:30 ~ 14:00 | 午前帯 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
13:30 ~ 18:00 | 午後帯 | ● | / | ● | / | ● | / |
15:00 ~ 22:00 | 準夜帯 | ● | / | ● | / | ● | / |
休診日:日曜日
臨時透析あり
旅行、帰省、出張などの場合は臨時透析を受け付けております。
まずはお電話にてお問い合わせください。
末期的腎不全患者さんへの血液浄化法として、血液透析(HD)、血液濾過(HF)、血液透析濾過(HDF)がありますが、半透膜(この場合ダイアライザ)を通して濃度の異なる液体(血液と透析液)を接触させ、拡散現象を用いて、尿毒素を取り除こうとするのがHD、濾過現象を用いて、まるで満杯にお湯を貯められたお風呂の一方へ新しいお湯を注ぎ込み、反対方向へあえて溢れさせて、古いお湯を少しずつ綺麗なお湯へ浄化していくみたいなのがHF、HDとHFの両方を行うのがHDFです。
HDは拡散現象、HFは濾過現象、ゆえにHDは分子量の小さい物質の方がより多く移動(除去)できるのに対し、HFは基本的に分子の大きさに関係せず、濾過するお湯の量のみに依存する方法と言えます。ゆえにHDではなかなか除去できない分子量の大きな尿毒素までHFやHDFでは治療域となるわけです。
HDとHFのいいとこ取りした方法がHDFですが、ここで問題となるのがお風呂へ注ぎ込む新たなお湯の量(正確には置換液量)でした。この量が多ければ多いほどより多くの毒素を除去できる反面、濾過して除去した分、置換液で同量の置換(補液)をせねばなりません。滝のように置換液(サブラッドという専用の薬剤、1袋1リットル)を流せば可能は可能ですが、もし仮に24リットル置換として、1時間で6袋、4時間で24袋の置換液(点滴みたいなもの)を毎回毎回用意せねばならなくなります。24袋の点滴が一人の患者さんの周りに吊り下げられている光景を想像してみてください。ひどいですよね。またあまりに煩雑かつ高コストでもありました(このやり方は機械と点滴が別なので、オンラインではなくオフラインHDFと呼ばれます)。
一方、このオフラインHDFでの置換液(点滴みたいなもの)の代わりに、これまでHDで使用していた透析液をウルトラピュアな液(ここが最重要)とすることができ、血管内へ直接注入することが可能なレベルまでピュアな液を作成できるなら(HD時の半透膜;ダイアライザを経由して血液と接する本来の透析液使用ではなく)、元来透析液は1分間に500cc、4時間で120リットルほど作成されて使用されているため、この一部を置換液として使用しても良いことになり、40〜50リットルまでなら訳なく供給できる、この透析液の一部を透析液としてではなく、置換液として使用して行おうというのが、オンラインHDFです。オンラインHDFを行うには上述の如く透析液の水質をウルトラピュアにすることが必須で、そのことだけでも単なる透析とは異なり、サイトカイン発生率の軽減などに繋がる可能性も示唆されています。
人工透析ひ尿器科じんけいクリニックでは平成27年8月からこのオンラインHDFを厳重な水質管理の下で導入開始し、平成28年10月には全ての透析患者さんへ施行可能となりました(あえて施行していない患者さんもおります)。多くの患者さんは、臨床的には透析中の血圧が下がりにくく、シャント閉塞率の減少、動脈硬化の軽減、感染症への抵抗力の増大、透析アミロイドーシスによる痛みの軽減(少なくとも新たなアミロイドーシスの軽減)、食欲の増進、貧血の改善(エリスロポエチン製剤の使用減)、かゆみや、いらいら足の軽減、皮膚乾燥や皮膚色、髪の毛の艶の改善など、様々な効果が期待され、また実際に報告されてきています。当院では今後も積極的にオンラインHDFを含めたウルトラピュアな透析液を使用した透析治療を推進し、縁あって当院で透析治療を受けられておられる患者さんへは、最善最適と思われる治療を提供すべく、日々さらなる精進を積み重ねてまいる所存です。